旅旅

横川駅と碓氷峠の記憶をつなぐ終着駅 峠の釜めしと廃線跡が残る横川駅周辺

群馬県安中市松井田町横川398 横川駅

(2026/09/25 更新)

横川駅は碓氷峠の入口にある終点駅

群馬県側の信越本線の終点、横川駅をめぐる記録です。かつては横川〜軽井沢間を結ぶ碓氷峠越えの要衝で、長野新幹線の開業後にこの区間は廃線となりました。現在は本数が少なめで、列車の時刻を確かめてから向かう駅です。

駅には有人改札があり、静かな終着駅らしい落ち着きがあります。一方で、鉄道好きの人が集まる場所としても知られ、鉄道文化村や廃線跡をたどる拠点として訪れる人の姿が目立ちます。かつて補機の連結や切り離しが行われていた場所と思うと、いまの構内にも当時の空気が少し残っているように感じられます。

峠の釜めしとおぎのやの風景

横川駅周辺でまず印象に残るのが、おぎのやの存在です。駅構内からも駅の外からも峠の釜めしを食べられるようになっており、駅前にはおぎのやの店舗や飲食スペースがまとまっています。ホームに昔からの峠の釜めしが残るという声もあり、この駅ならではの食の記憶を今に伝えています。

駅弁としての峠の釜めしは、横川駅を語るうえで欠かせない存在です。鉄道の旅と食が結びついていた時代の名残が、いまも駅前に自然なかたちで残っています。

駅前の設備と使い勝手

駅を出て左手にトイレがあり、駐車スペースも比較的確保されています。駅の南側には広い駐車場があるという記録もあり、鉄道利用だけでなく車での立ち寄りにも対応している様子です。

軽井沢側へ向かうバスについては、駅から数分歩いたところに停留所があり、約40分・520円で駅へ着く便があるようです。支払いはICカードと現金に対応しています。鉄道本数が少ないため、周辺交通を組み合わせて動く場面もありそうです。

碓氷峠鉄道文化むらと廃線ウォークの入口

横川駅は、碓氷峠鉄道文化むらの最寄駅でもあります。廃線となった横川〜軽井沢間の一部は、遊歩道アプトの道として整備され、横川駅から熊ノ平駅の間を歩けるようになっています。トンネルや橋梁、旧丸山変電所など、鉄道遺産に触れながら歩ける場所です。

安中市の案内では、アプトの道は約6キロメートルの遊歩道として整備され、6つの橋梁と10の隧道があるとされています。めがね橋を代表とする煉瓦構造物群や、碓氷湖の景色など、碓氷峠の鉄道の歴史をたどる散策路として知られています。

さらに近年は、廃線跡を歩く「碓氷峠廃線ウォーク」も行われています。列車が走っていた線路を自分の足でたどるという体験は、この土地の歴史を別のかたちで見直す機会になっているようです。

かつてのにぎわいと、いまの静けさ

信州や北陸を目指す特急・急行が行き交っていた時代、横川駅は碓氷峠を登るための補機連結の場として重要な役割を担っていました。現在はその役目を終え、鉄道文化村を訪れる人の乗降が中心になっているようです。

駅のまわりには、昔の交通の要所らしい広さや余白があり、そこにおぎのやの店舗や飲食スペース、駐車場が重なっています。にぎやかな観光地というより、鉄道の記憶と日常の利用が同居する、少し特別な終着駅として受け止めるのが似合う場所です。

記録としての横川駅

横川駅は、単なる乗り換えの駅ではなく、碓氷峠の鉄道史を今に伝える入口でもあります。峠の釜めしを手に駅前でひと息つくことも、鉄道文化むらやアプトの道へ向かうことも、この場所の過去と現在を重ねて眺めることにつながります。

本数の少なさには注意が必要ですが、そのぶん、駅に降り立ったときの空気は落ち着いています。かつての峠越えの記憶をたどりながら歩くには、静けさのある終点駅です。