旅旅

隠岐の島・中之島に湧く名水百選「天川」の静かな水辺

島根県隠岐郡海士町大字知々井 天川の水

(2026/08/15 更新)

天川の水とは

隠岐・中之島にある湧水「天川の水」は、環境省の名水百選に選ばれている場所です。レビューでも触れられているように、昔から地域で仏教信仰とともに大切にされてきた場所として受け止められており、周囲にはどこか聖域のような空気が漂います。

高僧・行基が隠岐行脚の際にこの水を「天川(天恵の水)」と名付けた、という由来が伝えられています。岩穴のようなところから水が湧き出しており、湧水そのものを見に行くというより、土地に積み重なった信仰や記憶に触れる場所として印象に残ります。

水辺の雰囲気

現地では、蝉や虫の声、鶯の囀りが重なり、自然の音がよく響くようです。レビューからは、まわりの静けさの中で、水の気配が際立つような場面がうかがえます。桜がきれいだったという声もあり、季節によって表情を変える湧水地として見られているようです。

水は無色透明で無味無臭、ほのかに冷たさを感じられたという感想がありました。柄杓ですくって飲んだ人からは、冷たくて飲みやすかったという声もあり、島の中で水の貴重さを実感する場所として受け止められています。

お寺の下にある、少し奥まった場所

レビューでは「お寺さんの下にある池のようなところ」とも書かれていました。地蔵さんなどが立っていて、全体としては寺院の気配が強い場所です。にぎやかな観光地というより、少し奥まったところに静かにある湧水で、訪れる人によって印象が分かれるのも自然なことだと感じられます。

一方で、海沿いの景色だけで十分だという感想や、遠回りになって疲れたという声もありました。アクセスには、県道317号から行くほうがよいという注意も見られ、近道の山中の道は厳しいとされています。島内で移動する際は、地形や距離をふまえて向かう必要がありそうです。

立ち寄るときに見えてくるもの

天川の水は、単に名水を飲むための場所というより、信仰と自然が重なった小さな水辺として記憶されているようです。湧水の透明感や冷たさだけでなく、周囲の植生、鳥や虫の声、寺院の気配、そして島における水の大切さが、一つの場所の中にまとまっています。

観光の途中で少し足を延ばして立ち寄る人もいれば、距離のわりに静かな場所だと感じる人もいます。ただ、そうした受け止め方の違いも含めて、天川の水は中之島の地形や生活感を映す場所として残っています。名水百選という肩書きだけではなく、島の時間の中で守られてきた水として眺めると、その輪郭が少し見えやすくなります。