旅旅

JR竹野駅と海辺の町を歩く、山陰本線の小さな旅の記録

兵庫県豊岡市竹野町草飼557-3 竹野駅

(2026/09/29 更新)

JR竹野駅に残る、昔の駅らしい気配

兵庫県豊岡市にあるJR竹野駅は、木造の駅舎と窓口、そして駅員さんのいる姿が印象に残る駅です。山陰本線のこの区間を走る列車は、国鉄色のキハ47、キハ40系列が中心で、ホームに列車が入ってくる様子も含めて、どこか昔の駅を思わせます。

駅構内は無料で入れるようですが、一声かけたほうがよいという声もあり、無人駅というよりは、簡易委託の窓口と人の気配が残る駅として受け止めるとよさそうです。昭和の空気をそのまま残したような姿に、記録としての価値を感じる人も少なくないでしょう。

竹野駅の周辺で感じる、静かな時間

駅のまわりは店が多い場所ではなく、飲食店は曜日や天候によって開いていないこともあるようです。そうしたときは、近くのコンビニが頼りになる場面もあります。にぎやかな駅前というより、静かな土地にぽつんと駅が立っている印象です。

それでも、この駅のまわりには海へ向かう気配があります。城崎温泉から列車で10分ほどという近さもあり、鉄道で少し移動するだけで、景色の重心が町から海へと変わっていきます。

山陰海岸ジオパークの海へ

竹野を訪れたら、駅だけで終わらせず海辺へ向かいたくなります。この地域は山陰海岸ジオパークに含まれており、海の色と岩場の組み合わせが印象的です。透き通った海でありながら、沖縄のような明るい砂浜とは少し違って、岩がごつごつとした日本海らしい景観が広がります。

夏には海水浴も合いそうですが、それ以外の季節に、ただ海を見に行くのも似合う場所です。オフシーズンは人がほとんどいないこともあるようで、静けさの中で波の動きを眺める時間がよく似合います。竹野海水浴場や、周辺の宿の存在も、この町が海とともにあることを感じさせます。

跨線橋から見える桜と、駅の表情

竹野駅の跨線橋には両側の窓があり、そこから満開の桜を楽しめたという記録もあります。駅そのものだけでなく、構内の一角から季節を切り取れるのは、地方の駅ならではの見方かもしれません。

さらに、釣り魚の早見表が貼られているのを見て、地元とのつながりやおもてなしの気持ちを感じたという声もありました。観光地として整えられた派手さよりも、土地の暮らしに近い掲示や気配が、この駅の印象を形づくっているようです。

竹野の町並みと、路地の奥にある風景

竹野の見どころは海だけではありません。焼杉板の町並みが残り、迷路のような裏路地が続くエリアも、この町の印象を強めています。海へ直接抜ける道や、角を曲がるたびに変わる小さな景色は、歩いてみて初めて気づく魅力です。

イカ漁の漁火で知られる土地でもあり、漁港には漁船が並ぶ姿も見られます。訪れた時期がシーズンオフであれば、なおさら静かに町の輪郭が見えてきます。民宿が多いという点も、海辺の町らしい構えです。

近くの海辺と、季節ごとの過ごし方

竹野浜海水浴場は、透明度の高い海として知られ、海水浴だけでなくシュノーケリングを楽しむ人もいるようです。とはいえ、海の楽しみ方はそれだけではなく、春の桜、夏の海、冬の静かな浜辺と、季節ごとに見え方が変わります。

駅、海、町並みが近い範囲にまとまっているので、長い移動をしなくても、鉄道の風景と海辺の風景の両方を味わえるのが竹野の面白さです。

山陰本線の駅として残るもの

山陰本線のこの区間には、存廃問題が取り沙汰されることもあるようです。乗客が極端に少なく見えるわけではなくても、経営は厳しいという見方もあります。だからこそ、古い駅舎、国鉄色の列車、海辺の集落がそろう竹野駅の景色は、単なる観光素材ではなく、今のうちに見ておきたい鉄道と地域の記録として受け止めたくなります。

変化していくかもしれない風景を前に、駅と海と町並みを一緒に歩くと、この土地の時間の流れが少しだけ見えてくるようでした。