旅旅

坪尻駅のいま——徳島線と土讃線が分岐する無人駅の記録

徳島県三好市井川町西井川1201 佃駅

(2026/10/15 更新)

坪尻駅について

徳島県三好市池田町西山立谷にあるJR土讃線の坪尻駅は、徳島線と土讃線の分岐駅として知られています。普通列車はスイッチバック方式で駅に進入し、ホームだけを見ると大きな駅のようにも感じられますが、駅は無人です。周囲には人家がほとんどなく、いわゆる秘境駅として紹介されることもある一方で、すぐ横には国道が走り、車の往来も見られます。山あいの静けさと、道路沿いの動きが同じ場所に重なっているのが印象的です。

駅の周辺で感じること

駅のまわりは、深い山の中にぽつんとあるというより、生活圏の気配と鉄道の静けさが同居しているような場所です。民家もあり、過疎地という言葉だけでは言い切れない環境の中に、無人駅が置かれています。そのため、駅に降り立つと、列車の停車時間以上に、土地の空気がゆっくりと伝わってくるようでした。

以前は古い駅舎があったようですが、撤去され、現在は駐輪場になっているとの記録があります。2026年2月の時点では新しい駅舎の工事が始まっているように見えた一方で、2026年5月追記では古い駅舎が完全に撤去されており、その後は今のところ大きな動きは見られないとされています。駅のかたちが変わっていく途中の時間が、そのまま残っているような印象です。

乗り換えの駅として

坪尻駅は、徳島線から土讃線へ乗り換える途中の駅として利用されることがあります。実際の記録でも、乗り換えで立ち寄ったという声が見られ、阿波池田方面から列車を使ってこの駅を通る人にとっては、路線のつながりを確かめる場所でもあります。

駅の規模に対して周辺はかなり静かで、ホームの印象との落差が目に残ります。列車の本数や運行の少なさも含め、通過するだけでは見えてこない、山あいの駅ならではの間の取り方があるように感じられます。

施設の様子

利用者の記録によると、駅舎はこぢんまりとした無人駅で、喫煙所はなく、駅を出てすぐの場所に自動販売機があるようです。大きな設備が並ぶわけではありませんが、最低限の滞在に必要なものが、静かな環境の中に置かれています。

駅舎がなくなったあと、駐輪場として使われているという記録もあり、鉄道駅としての役割だけでなく、地域の移動を支える小さな拠点として、形を変えながら残っていることがうかがえます。

交通と風景のあいだで

坪尻駅は、山深い秘境駅というイメージで語られることが多い駅ですが、実際には国道の車の流れや周辺の民家もあり、完全に隔絶された場所ではありません。そのため、山の駅らしい静けさと、生活の気配が近くにある現実感の両方を受け取れる場所です。

派手な見どころが並ぶ駅ではありませんが、JR土讃線と徳島線のつながり、無人駅のあり方、駅舎の変化といった要素が重なり、鉄道と土地の関係を考えさせる場所として印象に残ります。