北海道空知郡中富良野町字中富良野 鹿討駅
(2025/06/03 更新)
北海道の富良野線沿いに位置する鹿討駅は、広大な畑の中にひっそりと建つ小さな無人駅です。車で訪れても目に入るのは広がる田園風景と、駅舎兼自転車置き場と板張りのホームだけ。このシンプルな佇まいが、心を落ち着かせてくれる癒しの場所となっています。
鹿討駅の名前の由来はこの地の地名にあり、さらにその地名は北海道大学の前身である札幌農学校の出身者、鹿討豊太郎がこの場所に農場を開設したことに因んでいます。地名に刻まれた歴史を感じながら駅を訪れると、過去と現在が交差する不思議な感覚になるでしょう。
無人駅であるため、列車の停車本数は限られています。しかし、運良く列車が訪れると、その光景はまさに北海道らしさを感じさせてくれます。1両だけの鈍行列車が過ぎ去る瞬間、自然と共にある生活の美しさを目の当たりにすることができます。ホームは列車1両がなんとか停まれるほどの大きさですが、その分、身近に列車を感じられる貴重な場所です。
周囲にはコンビニや店舗はなく、本当に静かな時間が流れています。一日の利用者数も数人程度で、周囲の景色がそのまま楽しめるのが魅力です。春先に訪れると、まだ少し冷たい風が吹く中、雄大な自然が四方を囲み、風が運ぶ草木の香りとともに心洗われるひとときを過ごせます。
鹿討駅を訪れる際は、時間に余裕を持って訪れ、近くの富良野市や中富良野町を巡るのもおすすめです。地域のペンションに宿泊することで、北海道ならではの田園風景の中で穏やかな時間を存分に楽しむことができます。富良野の鈍行列車に合わせて訪れることができれば、より一層旅の記憶に残るでしょう。
北海道の隠れた魅力を感じられる鹿討駅。ぜひ訪れて、その素朴な美しさをあなた自身の目で確かめてみてください。