岡山県新見市西方 備中神代駅
(2025/05/11 更新)
備中神代駅は、かつて私が母の帰省に伴い頻繁に訪れた場所です。当時はこの駅を利用して、母の故郷である神代への思い出をつくっていました。40年前と比べ、駅は随分と様変わりしましたが、その懐かしさは変わることがありません。
近年では、備中神代駅は、芸備線の廃線の話題とともに秘境の駅と称されることがあります。しかし、私の中ではそのような秘境感はあまり感じられません。とはいえ、30年ぶりに訪れた際、駅舎が無くなり、便数が減少したことに少々驚きました。このような変化が秘境と言われる一因かもしれません。
備中神代駅は、中国地方の山あいに位置し、伯備線と芸備線の分岐点でもあります。利用客が少なく、待合所で静かな時間を過ごせることが特徴です。夏の時期には虫が多く発生しますが、それもまたこの場所特有の風情でしょう。駅を出てすぐに広がる山々や、高梁川の清らかな流れに心が癒やされます。
備中神代駅は、古い駅舎が撤去され、新しい待合所が設置されています。この近代化は利便性をもたらしますが、その一方で、過去の記憶と比べると少し寂しさを感じることもあります。2001年まで存在していた駅舎の一部が残されているのは、一種のノスタルジックな雰囲気を演出していますが、中途半端な印象を受けるかもしれません。
備中神代駅は、交通の要所としての役割がありながらも、静かな時を刻む場所です。訪れる人々に過去の思い出を呼び起こす風景や、変わらない自然の音が迎えてくれます。現代の利便性と古き良き景色を存分に感じることができるこの地に、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。