群馬県利根郡みなかみ町相俣 相俣ダム
(2026/07/12 更新)
群馬県みなかみ町、赤谷川にある相俣ダムは、重力式コンクリートダムです。高さ67m、堤頂長80mという諸元が示す通り、狭い谷にすっきりと収まるように見える一方で、実際にはかなり存在感のあるダムです。周辺には猿ヶ京温泉があり、奥利根の景勝地として知られる地域のなかに位置しています。
ダムの目的は、洪水調節、流水の正常な機能の維持、発電です。昭和34年に竣工し、その後も管理や機能更新が続けられてきました。資料をたどると、ダムが単に水をためるだけの施設ではなく、流域の暮らしや水の管理を支える存在として使われてきたことが分かります。
今回の見学では、相俣ダム堰堤改良工事が進む現場を見ました。工事は、治水・利水機能の強化を目的に、既存のクレストゲート周辺を掘削し、新たな放流設備を増設する大規模なものです。現地ではダム本体の一部が工事中で、普段とは違う姿になっていました。
見学記録からは、大きな重機をそのまま使うのではなく、クレーンで持ち上げながら作業していた様子が印象に残ります。ダムという大きな構造物に対して、さらに精密な工事を重ねていく難しさが伝わってきます。2025年4月には、ロードヘッタというトンネル掘削機械を使って堤体に穴を空ける作業が進められていたことも発信されており、現場の工程が段階的に進んでいることがうかがえます。
工事中でも仮設展望台が設けられており、ダム全景を眺められたという声もありました。立ち入りが制限される状況でも、ダムの姿を見られるようにしている点は、見学する側にとってありがたい工夫です。
相俣ダムには併設の資料室があり、見学の記録では、雨量計用転倒ますの実機や、ダムに生息する生き物の写真などがまとめられていたとされています。こうした展示は、工事や構造だけではなく、ダム周辺の環境にも目を向けさせてくれます。
ダムカードも資料室で受け取ることができたという記録があります。さらに、群馬の4つのダムの紙で作れる模型が用意されていたという感想もあり、堅い印象のあるダム施設のなかに、少し遊び心のある要素が添えられていました。見学の途中で手を動かしながら学べるのは、資料室ならではの楽しみ方といえそうです。
相俣ダムは、幅の狭い深い谷にはめ込まれたような外観だと表現されています。上から見ると縦に長く、スキージャンプ台のようにも感じられるという声もありました。大きなダムではありますが、周囲の地形に沿って立ち上がる姿には、この場所特有の収まり方があります。
また、過去の記録では、左岸側に漏水対策として止水壁や遮水壁の工事が行われた経緯にも触れられています。見えているコンクリートの重さだけでなく、内部や周囲の地盤を含めて維持されている施設であることが分かります。外から眺めるだけでは読み取りにくい、長い時間の手入れが積み重なったダムです。
工事中のため、天端などに自由に入れない時期もありますが、仮設展望台や資料室によって、相俣ダムの現在の姿に触れられます。見学記録からは、巨大な構造物の工事を間近で見る驚きと、資料室で学べる親しみやすさの両方が伝わってきました。
赤谷川の谷にある相俣ダムは、機能の更新が進む一方で、資料や展示を通じてダムの役割を伝える場所でもあります。工事の現場として、そして学べる施設として、今の相俣ダムには複数の表情があります。