千葉県香取市佐原ホ688 両総用水第一揚水機場
(2026/08/02 更新)
九十九里地域の治水と農業発展に大きく寄与してきた施設として紹介されている場所です。利根川から水を引き、田んぼの時期には農業用送水ポンプ5台で千葉県北部から千葉県中部まで供給し、12市町村にかんがい送水しているとのことでした。
また、都市用の送水についても、ダムを中継しながら千葉県南部まで水を送る仕組みがあるそうです。延長約100kmに及ぶ水路を通して水が運ばれているとされ、地域の暮らしと農地の両方を支える役割が伝わってきます。
説明では、最大ピーク運転のシーズンになると、1秒で約17トン超の水を送る規模になるとのことでした。全国でも有数の施設とされるのも、こうした数値からうかがえます。
見学の記録では、流木を除去する装置が印象に残ったとありました。ふだんは水路の裏側にあるような設備ですが、実際に動く機械として目にすると、施設全体の役割がより具体的に感じられます。
大きな水量を扱う場所では、こうした装置が欠かせません。水を送るだけでなく、水の流れを保つための仕組みが重なっていることが、この一つの設備からも読み取れます。
この施設周辺では、3月下旬から水路の両脇に植えられた桜が咲き誇り、満開の時期には多くの見物者が訪れるそうです。4月も桜がとてもきれいだという記録があり、季節によって水路の風景がやわらかく変わる様子がうかがえます。
治水や農業のための施設でありながら、春になると花の景色が加わることで、硬質な設備の印象の中に少し静かな彩りが差し込まれます。機能を担う場所でありつつ、季節の見どころとしても受け止められている点が、この場所ならではの空気感かもしれません。
千葉県は野菜生産が主で、人口も多いため、平成28年度データでは食糧自給率が27%と低いという説明もありました。その一方で、この施設がなければ、東京や神奈川のように1%程度だったかもしれない、という見方も示されています。
数値の比較からも、この施設が地域の農業と水利用に果たしてきた役割の大きさが伝わってきます。単に水を送る設備というだけでなく、九十九里地域の土地利用や暮らしの成り立ちを支えてきた、記録しておきたい施設だといえます。
利根川の水を受け、農業用・都市用の双方に水を送り続けるこの施設は、九十九里地域の水の仕組みを考えるうえで重要な存在です。大規模なポンプ設備や流木除去装置といった機械の存在感に加え、春には桜が水路沿いを彩ります。
機能のための場所でありながら、季節の景色も重なる。そんな二つの側面が、この施設の印象を静かに強くしています。