愛媛県松山市一番町3丁目3-7 萬翠荘
(2026/06/22 更新)
松山城の麓に建つ「萬翠荘」は、1922年に旧松山藩主・久松家の別邸として建てられた、本格的なフランス・ルネッサンス様式の洋館です。国の重要文化財にも指定されており、松山城や二の丸史跡庭園を観覧したあとに立ち寄る人も多いようです。
名前の由来は、萬(よろず)翠(みどり)荘(やかた)、つまり「松山城のふもとの緑の中に佇む邸宅」という意味だとされています。青い空と木々の緑の中に白い外観が映える景色は、とても印象的です。
萬翠荘は、外観の華やかさだけでなく、館内の細部にも見どころが多い建物です。鉄筋コンクリート造で、地上3階・地下1階の構成になっており、車寄せ、玄関扉、窓、手すり、屋根窓にまでヨーロッパらしい意匠が感じられます。
玄関ホールの万成石の柱、チーク材の階段手すり、大きなステンドグラス、マントルピースなど、優美な装飾が随所に見られます。中央の階段を見上げた踊り場のステンドグラスも印象的で、レトロで上品な雰囲気を楽しめます。
見学できるのは主に1階と2階です。訪問時には個展や花の展示が行われていたという声もあり、館内はその時々で少し違った表情を見せているようです。
2階では、各界の名士が集まる社交の場であり、皇族の立ち寄り所でもあったという背景を感じながら、装飾や家具をゆっくり眺めることができます。昭和天皇の若き日の肖像画が飾られていたという感想もあり、歴史に触れながら静かな時間を過ごせる場所です。
また、映画やドラマのロケ地として使われていることでも知られています。建物そのものが持つ雰囲気が、作品の舞台に選ばれる理由のひとつなのかもしれません。
萬翠荘は広すぎないため、短時間でも見学しやすい一方、落ち着いて眺めると高品質なつくりがよく分かります。人が少ない時間帯には、じっくり観覧したり、記念写真を撮ったりしやすい点も魅力です。
庭も手入れが行き届いていて、建物との調和が美しく感じられます。横にある倉庫のような建物にも趣があるという声もあり、敷地全体を見て歩く楽しみがあります。
松山城、二の丸史跡庭園、道後エリアなどとあわせて巡ると、松山の歴史や文化の奥行きがより感じられます。萬翠荘は、観光の合間に静かに気分を整えたいときにもぴったりのスポットです。
大正時代の空気を残す洋館を間近で見られる貴重な場所として、建築や歴史が好きな方はもちろん、松山で落ち着いた見学先を探している方にもおすすめです。