秋田県鹿角郡小坂町十和田湖 十和田ホテル
(2026/07/15 更新)
十和田湖を訪れた際に話を聞いて、いつか泊まってみたいと思っていた十和田ホテルに宿泊できた、という体験がまず印象に残ります。八戸からはレンタカーでおよそ2時間。途中で通行止めもあり、道のりには少し気を揉む場面もあったようですが、部屋から景色を見た瞬間に疲れが抜けた、という感想がこの宿の立地をよく伝えています。
湖の景色は、大浴場の露天風呂からも眺められるそうです。客室だけでなく湯船からも同じ眺めが見えるため、移動のたびに景色が切り替わるというより、宿の中で十和田湖の時間に包まれていくような滞在になりそうです。
本館は全室和室、新館は全館洋室のようですが、秋田杉を使い、宮大工が多く参加して建てられたという本館に泊まりたくて和室を選んだ、という声がありました。建物の背景を知ったうえで部屋を選ぶと、宿そのものを見る目も少し変わります。
天井や手すり、棚など、各所に装飾が施されていて美しかったという感想があり、有名な玄関についても「息を呑む美しさ」と表現されています。派手さというより、木の質感や細部の作り込みが印象に残る宿として受け止められているようです。
建物の管理状態については「まずまず綺麗に管理している」との声もあり、長い時間を経た宿として落ち着いた印象があります。一方で、客室のコンセントが少なく、スマホの充電に困ったという実感もあり、歴史ある建物ならではの使い勝手の差が見えてきます。
食事については、地元の食材を中心に工夫を凝らした内容で美味しかったという感想がある一方、夕食はやや物足りないと感じた人もいました。評価が分かれる部分ではありますが、宿の雰囲気や建物の印象に比べると、料理にはもう少し磨きを求める声があるのは確かです。
プラン情報では、男鹿名物の石焼料理が付く夕朝食付きの内容が案内されています。秋田杉の桶に新鮮な魚を入れ、炭火で熱した約800℃の石を使って目の前で加熱調理する、という説明があり、食事の場面にも土地色がはっきり出ています。夕食会場は個室食事処、レストラン、小宴会場のいずれかになるようです。
朝食は、地元食材が小鉢でいくつも並ぶ和食が印象に残ったという感想があり、旅先らしさを感じやすい構成のようです。プラン説明では、状況によりバイキングまたはセットメニューになるとされています。
大浴場は温泉ではないものの、とても広く清潔で、サウナと水風呂まで備わっているとのことです。5月でも外が寒い日があり、そのなかでサウナと外気浴を楽しめたという記録からは、宿の入浴設備が休息の場としてしっかり機能している様子が伝わります。
客室から大浴場へは約20段の階段があると案内されているため、館内移動には少し上下の動きがあります。こうした点も含めて、建物の構成を知ったうえで泊まると、滞在の印象はより具体的になりそうです。
宿の付近の散策も好評で、とくに「陛下の散歩道」と呼ばれる場所は素敵だったという声がありました。ホテルの滞在だけでなく、周囲を歩きながら景色を味わうことが、このエリアの過ごし方のひとつになっているようです。
また、周辺の観光地について丁寧に説明してもらえたという感想もあり、宿が旅の拠点として機能していることがうかがえます。十和田湖周辺で静かな時間を過ごしつつ、建物の歴史や眺望、食事、入浴をひとつずつ味わう。そうした積み重ねが印象に残る宿です。
一方で、いくつか気になる点も挙がっています。晩秋にはカメムシが多く、部屋の中にかなり入ってきたという声があり、駆除スプレーや駆除セットが客室の入り口に置かれていたことを残念に感じた人もいました。自然の多い土地ゆえの事情として受け止められる部分はあるものの、滞在の印象を左右しやすい点ではあります。
また、夕食の量や味付け、サービスの細やかさについては評価が分かれていました。セルフサービスが多く、人手が足りない印象を受けたという感想もあり、宿の雰囲気の良さに対して運営面は受け取り方に差が出やすいようです。
十和田ホテルは、秋田杉を生かした本館の意匠や、十和田湖を望む景色がまず心に残る宿です。料理やサービスには人によって感じ方の違いがあるものの、建物そのものと周辺の風景に価値を見いだす滞在先として印象がまとまっています。
歴史ある宿に泊まり、湖の眺めを部屋と露天風呂で楽しみ、周辺を少し歩く。そうした過ごし方が似合う場所として、十和田湖の記憶と結びつく宿になっているようです。